東京オリンピックに便乗した中野サンプラザ解体・大規模再開発のもとで破壊される「平和の森公園」。 大多数が反対する樹木の伐採や、草地広場を分断縮小する無慈悲な計画を止めてください

東京オリンピックに便乗した中野サンプラザ解体・大規模再開発のもとで破壊される「平和の森公園」。 大多数が反対する樹木の伐採や、草地広場を分断縮小する無慈悲な計画を止めてください

開始日
2017年3月9日
署名の宛先
中野区長 田中大輔殿
このオンライン署名は終了しました
5,518人の賛同者が集まりました

この署名で変えたいこと

署名の発信者 緑とひろばの平和の森公園を守る会

“サブカルチャーの街”で知られる中野では今、2020年の東京オリンピックに向けた再開発が急速に進められています。 

中野区は、駅の北側約1㎞の緑あふれる区民の憩いの場「平和の森公園」を“スポーツ複合施設”へ変貌させる計画を強引に推進。都市の貴重な緑を破壊するこの典型的な「箱モノ行政」は、内容だけでなく、その過程においても数多くの問題をはらんだまま強行されつつあります。

 そもそもの発端は2014年、区が所有する北口のランドマーク「中野サンプラザ」と、隣接する中野区役所を解体し、中野駅周辺の大規模再整備計画を決定した事に始まります。これにともない、新しい区役所は、現区役所のはす向かいにある「中野体育館」用地への移設が計画されます。

[参考URL]http://style.nikkei.com/article/DGXNASFE2304G_T20C14A6000000?channel=DF280120166607&style=1

こうして“玉突き”の形となった新体育館の移転先は当初、廃校の跡地が候補とされていました。しかし中野区は突然、変更理由も明らかにしないまま平和の森公園への新体育館建設を決定します。しかも長い歳月をかけて育まれた貴重な自然の破壊をともなう公園再整備計画の抱き合わせを独断により推進。2016年2月の区民説明会、4月の意見交換会では、反対意見が大多数を占めたにもかかわらず、その後も計画は強引に推し進められていきます。

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<問題①> 野球場の拡張による200~300本もの樹木伐採

 少年野球用の「少年スポーツ広場」を大人も使えるサイズに拡張するため、周辺で生物が生息する水辺の一部を取り壊し、伐採には約5300万円、植栽・移植を含めると約1億3200万円を費やして大木が根を張りめぐらす起伏ある自然の緑地を、大規模に整地する計画です。

 わずか2㎞の距離にある哲学堂公園には、すでに2面もの大人用野球場があります。樹木と水の流れが育む自然体系や、少年達の機会を奪い、この広場だけで約9億1000万円もの経費を投じて拡張する必然性は全くありません。

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<問題②> 緑の広場を破壊する300m陸上トラックの設営

11,600㎡の広大な芝生に、空が大きく開ける「草地広場」は、周囲に気兼ねなく老若男女誰もが羽を伸ばせる都市の貴重な自然空間です。周囲にはすでに舗装路があり、皆それぞれのペースでジョギングやウォーキングを楽しんでいます。にもかかわらず、周囲の樹木や休憩所ごとこれを撤去、中央には何本もの高い常夜灯を建てて広場を分断し、利用価値の低い中途半端な距離の300mトラック(公式競技では400m)、加えて100mの直線コースを設置し、広場は大幅に縮小される予定です。

 この計画にはとりわけ、生育期の子供がのびのび走り回り、健やかな心身を育む貴重な遊び場を奪うものとして、中野区の保育園で働く保育士、保護者達も、大きな反対の声を挙げています。過去にはトップスピードの短距離走者との衝突事故による死亡例もあり、その危険性も問題視されています。また、そもそも中野区内で陸上部のある中学は2校しかなく、その有用性にも大きな疑問の声が上がっています。

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さらにこの問題が悪質な点は、予算に関する不透明性にあります。中野区は当初の建設費を、体育館50億円、陸上トラック2億円、野球場に2億円、その他設計費1億円、総経費55億円として(うち借金は47億円)議会審議を進めてきました

私たち「緑とひろばの平和の森公園を守る会」(以下「守る会」)は、区の業務委託を受けた(株)日本設計が2016年2月・3月に提出した報告書の全面開示を要求。しかし区は、費用に関連する情報を真っ黒に塗りつぶした、いわゆる「のり弁報告書」を開示したにすぎませんでした。[※①]

同年6月には、情報を隠蔽したまま“意見公募”とは名ばかりのパブリック・コメントを実施。そして直後の8月、区は突如、何の説明もなく108億円に倍増(陸上トラック・野球場は4.4倍)させた整備費を発表したのです。このうち借金がいくらに膨らんているのかは、現在まで明らかにしていません。

また、108億円のうち新体育館の建設総額は86億円とされますが、予定地の地下には東京都の浄水施設があり、構造によってさらに増加する可能性が指摘されています。さらに残土除去費用などの細目は計上されておらず、おまけに区が目指す2020年オリンピックまでの完成となれば、建築資材や人件費の高騰は避けられず、予算がどんどん膨らむことも予想されています。

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平和の森公園は、1954年から約30年にわたる区民の根気強い協議によって、中野刑務所の跡地に開かれた「みどりの防災公園」です。これを民意を無視して改悪することは、『区民は、区の政策の企画立案、検討、実施、評価及び見直しのすべての過程に参加する権利を有する』という中野区の自治基本条例・第3条に著しく反するものです。

2016年5月、私たち「守る会」が公園利用者や近隣住民など1,605人に実施した大規模アンケートでも、実に90%近くが「公園をそのまま残してほしい」と回答。しかし中野区は前述の計画だけでなく、起伏ある自然の地形が幼児の知育に大きく貢献する草地広場の築山をコンクリートで固めた滑り台に作り変えようとしたり、一区議の一声で、その築山からわずか10数mの場所に、煙をまき散らすBBQサイトの設置を決めたり……。一体、どこまでやりたい放題なのでしょうか。

東京23区内で最も人口が過密し、反対に1人あたりの公園面積は2番目に少ない中野区。夏には涼やかな影をつくり、CO2削減にも貢献する都市の貴重な樹木を、皆が大切に思う憩いのオアシスを、莫大な費用をかけて破壊する必然性も、また区民からの要望も、どこにもありません。

[参考URL]

http://style.nikkei.com/article/DGXBZO43069630X20C12A6000000?channel=DF280120166607&style=1&page=4

私たち「守る会」は、これまで地道な活動を続けながら、この計画の矛盾点を突き、反対の声を上げてきました。しかし残念ながら、現在の“民主主義”においては「数の論理」に対向しうる手段のないまま、中野区は東京オリンピック前の完成に向けて、今年7月には樹木の伐採を始めようとしています。

今、この無意味で無慈悲な“大規模開発”をストップさせるには、民意の声で対抗するほかありません。どうか、オリンピックの負の遺産を次世代に残さないためにも、皆さんのお力を貸してください。

 

発起人「緑とひろばの平和の森公園を守る会」

 

[※①]情報公開審査会の「公開する必要性は高い」という答申を受け、2017年2月に全面開示。

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意思決定者(宛先)

  • 中野区長 田中大輔殿